「ヨガ」っていうとハタヨガやホットヨガを思い浮かべますが、これからヨガをはじめようと思うと、いろんな種類があって悩みますよね。。。
ゆったーり伸びたりリラックスしたり、、、だけではありません!!
「20代男性が初心者から4年程ヨガをやってみて意外だったこと、予想通りだったことまとめ-前編-」に書きましたが、ヨガにもいろんな種類のヨガがあって、果てにはビールヨガ(さすがドイツ!)なんてあります。。。
そんな中から、ぼくが普段練習している伝統的なヨガの1つのアシュタンガヨガについて、「アシュタンガヨガってなんか気になるな」と思った方、ちょっと動きの多いヨガに興味がある方へ、初心者目線で紹介します!
アシュタンガヨガとは
アシュタンガヨガについて説明するにあたり、そもそもヨガとは?から簡単に説明をしていきます。難しいことは置いておいて、まずはアシュタンガのポーズの特徴について知りたいという方は以下からジャンプしてください。
そもそもヨガとは
現代では、スポーツの補完やダイエットなど、人それぞれ目的があると思いますが、元々の目的は「苦痛から解放され、安定した心を作る=心をコントロールすること」という精神的な面です。
語源は「ユジュ」というサンスクリット語で、牛車や馬車の牛/馬と車をつなぐ「くびき」や「結びつける」を意味していて、そこから、体や心、魂を結びつける修行として生まれました。
紀元後4-5世紀に、心の鍛錬を含んだヨガの実践方法が「ヨガ・スートラ」で具体化され、12-13世紀頃には、身体を浄化することから心の鍛錬=安定した心を作ろうと動的なヨガが出てきましが、これがハタ・ヨガと呼ばれます。
その後、ハタ・ヨガを基に派生し、現代では多くの種類のヨガが実践されています。
アシュタンガヨガの本来の意味
「アシュタンガ」とは8本の枝(アシュト=8、アンガ=枝)=八支則という意味のサンスクリット語です。
八支則とは①ヤマ(禁戒=やってはいけないこと) ②ニヤマ(勧戒=すべきこと) ③アーサナ(坐法) ④プラナーヤマ(呼吸法、調気法) ⑤プラティヤハーラ(感覚の制御) ⑥ダーラナ(集中) ⑦ディヤーナ(瞑想) ⑧サマディ(悟り) です。
アシュタンガヨガではこれらを深めていきますが、一般的に「アシュタンガ」といったときには、③のアーサナつまり、動的な部分(ポーズの練習)になります。
①〜⑧まで常に意識して深められたら良いのですが、なかなか難しいため、アーサナ(ポーズ)で身体、心を浄化するところから入っていくんだと聞いたことがあります。
八支則にについてもっと詳しくHot&Shape CALDO アシュタンガヨガとは
アシュタンガヨガの歴史
アシュタンガヨガはヨガの父と呼ばれるティルマラ・クリシュナマチャリヤ師が考案、基盤を作り、彼に師事していたシュリ・K・パタビジョイス師が現代社会に合わせてアレンジして今の形になりました。
その後、シュリ・K・パタビジョイス師はアシュタンガヨガを広めるため、インドのマイソール地方でAshtanga Yoga Resarch Instituteを設立しました。
ある時からSHRI K. PATTABHI JOIS ASHTANGA YOGA INSTITUTE(通称 KPJAYI)になり、シュリ・K・パタビジョイス師(写真右)が亡くなった後は、孫のシャラート・ランガスワミー師(写真中央)が引き継ぎました。
現在はSHARATH YOGA CENTERという名で、アシュタンガヨガスタジオの総本山としてヨガ哲学や実践方法を日々研究されています。
アシュタンガが人気になったのは、アシュタンガを基にしたパワーヨガがアメリカセレブの間で人気になったことから一気に知られるようになったと言われています。
アシュタンガヨガの練習と特徴
一般的に、動きが多く激しいヨガと言われるアシュタンガヨガで特徴的なのは、以下5点だと感じています。
- アサナ(ポーズ)の順番が決まっている。
- バンダ(締め付け)を意識する。
- フリーブリージングという呼吸法。
- ドリシュティ(視点)を固定する。
- マイソールスタイルという練習方法
「まずは見てみたい!」という方は以下のシュリ・K・パタビジョイス師指導の練習風景を見てみてください!
この動画は6段階ある練習の内、基礎となるプライマリーシリーズになります。(いきなりこれを全部やるわけではないので安心してくださいね。)
それでは、各特徴をそれぞれ順番に説明していきます。
アサナ(ポーズ)の順番が決まっている
「アシュタンガ ポーズ」で画像検索すると大体同じような、ポーズが並んだ画像が出てきます。
これはアシュタンガヨガは多くのヨガと違い、毎回練習するポーズの順番が同じだからです。
基本となるプライマリーシリーズでは、太陽礼拝、立位の(立って行う)アサナ、座位の(座って行う)アサナ、逆転の(逆さまになって行う)アサナ、フィニッシングと順番が決まっています。
まずはこのプライマリーシリーズをなんども繰り返し、次のシリーズへ行くための基礎を身につけます。(基本的には)許可が出ると、新しいポーズを練習できるようになり、次のシリーズへ進みます。またそのシリーズを習得すると、次のシリーズへと進みます。シリーズは全部で6シリーズです。
シリーズを進んで行くと、基礎練習部分などで省略していいところも出てくるため、厳密に言えば、ずっとポーズが一緒というわけではないですが、基本的にはポーズは反復練習だと思っていただいて大丈夫です。
バンダ(締め付け)を意識する
バンダとは「締め付け」を意味します。
アーサナを練習するとき、主に3つの場所(喉、ヘソの下、ヘソの下より少し下と肛門の間位)を意識的に締め付けながら練習します。
この3箇所を柔らかく引き上げることで、ポーズが安定したり適切な身体の箇所が動くようになったりします。
以下のページが図入りでとてもわかりやすかったので、気になった方は読んでみてください。
バンダについてもっと詳しく!ケン・ハラクマ先生が解説!わかるようでわからない「バンダ」を理解しよう
フリーブリージング(ウジャイ呼吸)という呼吸法
元々はウジャイ呼吸と呼ばれていましたが、誤訳であったことがわかり、近年はフリーブリージングと呼ばれています。
大きな特徴としては、「呼吸時にでる音」です。シーンとしたクラスの中で、みんなの呼吸音が響き渡ります。
胸式呼吸の一種でバンダを意識しながら行うことで、呼吸をコントロールし、身体の各部位に呼吸が行き渡ることが感じられるようになります。
この呼吸を意識し、アサナ(ポーズ)と連動させていきます。しっかりと呼吸を意識することで、アサナが上達したり、気持ちのいい感覚を得ることができます。
ドリシュティ(視点)を固定する
各アサナでは正しい形、姿勢が決まっているのはもちろん、どこを見るかも決まっています。
アシュタンガではこのドリシュティ、アサナ(バンダ)、プラーナーヤマ(呼吸)の3つを特に大切なこととしてトリスターナと呼んでいます。
たくさんあるアサナの種類ですが、ドリシュティは9個しかありません。
詳しくは省きますが、①上方、天空 ②眉間(第3の目) ③鼻先 ④右側、右方遠く ⑤左側、左方遠く ⑥へそ ⑦手 ⑧親指 ⑨つま先です。
各アサナのドリシュティは繰り返し意識しながら練習することで覚えましょう。
ドリシュティを意識できている時の方が、バンダ、身体の各部位が集中していて、アサナを取りやすくなるように感じています。
マイソールスタイルという練習方法
シュリ・K・パタビジョイス師が確立したアシュタンガは、インドのマイソール地方で実践されたことから、マイソールという名になりました。
マイソールスタイルのクラスでは、毎朝、先生の下で各々が練習を開始します。太陽礼拝から始まって、自分が進んでいるポーズまで練習し、フィニッシングで終了です。
アシュタンガヨガではポーズの順番が決まっていると言いましたが、どこまでも自分勝手に進めて良い訳ではありません。
まだ身体や心が出来上がっていないうちに、先の難しいポーズへ進むと上手く出来なかったり、けがをしてしまいます。そのため、マイソールクラスでは、ポーズのアドバイスをもらえるのはもちろん、どこまでやって良いかの判断もいただけます。
先生がテーマなどによって組み立てて、付いていくのが一般的なヨガとは異なる特徴です。
ちなみに、満月、新月の日はお休みです。
どんな人が練習してるの?こんな人にオススメ!
まずは、筆者のイメージですが、こんな人にオススメです。
こんな人にオススメ!!
- じーっとするよりも動きたい
- 自分一人でも練習したい
- マット1枚あればできるヨガがいい
- 向上意欲がある
- 伝統的なヨガがやってみたい
一般的にアシュタンガを練習している人は向上心が強い、我が強い人が多いと言われることが多いようです。
若干ネガティブのようにも聞こえますが、ある意味では正しいです。
それは先に書いたように、アシュタンガは自分一人で練習することができ、精進するほど先に進めるという特徴があるからだと思います。
とは言っても、実際に会った方々は、大らかな方ばかりでネガティブな印象は全くありません。一例として、実際に会ったアシュタンガを練習されている有名な先生方を紹介します!
Sarashina Yuya/更科 裕也
情熱大陸に出演したことで更に有名になった裕也先生。とにかくポーズが綺麗で魅了されます。毎年のようにインド マイソールで練習しており、Sharath師より2011年にAuthorization(正式指導者) Level 2を与えられています。patagoniaサポートのINTO THE MIND TOURとして毎年日本を縦断しながら各スタジオでワークショップを行なっており、アシュタンガを広めています。顔だけではなく生き様がイケメンで、ゆったりとしてユーモアのある話が見た目とギャップがあって、とても楽しいクラスです。残念ながら今は特定のスタジオ、クラスは持っていません。
Mae Yoshikawa/吉川 めい
「凛としている」という言葉がもっとも似合うめい先生。日本人女性としては初めて正式指導者を与えられています。元モデル、また雑誌Yoginiの表紙として10年間カバーモデルを務めたことでも知られ、現在はコンセプトスタジオvedaを運営しています。書籍も多数出版しており、adidasと契約しています。美人な上に愛の溢れる話し方の反面、クラスではとても厳しく、アシュタンガを大切にしているんだなという印象を受けます。
Ken Harakuma/ケン ハラクマ
日本のヨガ第一人者ケンハラクマ先生。日本人として初めて正式主導者をパタビジョイス師より与えられ、アシュタンガを初めて日本に伝えた方です。アシュタンガの他各種ヨガも実践しており、最近では音楽やVRなど最新技術とヨガを組み合わせたものに取り組んむことでヨガを広めています。ワークショップでは、いつも「LIFE GUARD」の服を着用しているのが特徴で、生徒の「できない!」を次々に解決していきマジシャンのようです。どんなことを聞いてもすぐに答えてくださる印象で、とてもユーモアのある先生です。
Ban Koichi/坂 浩一
筆者が通っていたスタジオhaano yoga studioのBan先生。身近にいたので気づかなかったですが、suriaのアンバサダーを務めていたり、世界遺産yoga@富士山・河口湖の講師を務めたりとしている実はすごい先生。ユーモアの塊のような人で、おもしろく、優しく、時に厳しい先生です。自分の経験や一般的に言われていることの両面からアドバイスしてくれ、初心者にも感覚・知識の両面でわかるようにしてくれます。Instagramもほぼ毎日更新していて、勉強になることが多いので、まずはフォローしてみるのもオススメです。
スタジオ紹介
ここでは、筆者の経験から、教えていただいてオススメしたい先生のいる教室の一例をご紹介しますで参考にしてみてください!
近くにない場合は、アシュタンガヨガに重きを置いているスタジオがオススメです。今ではジムや様々なヨガのスタイルを練習できる大手スタジオでも練習できますが、アシュタンガヨガを長年練習している先生が主催しているクラスがよりオススメだと感じています。
東京
コンセプトスタジオveda
メイ先生の運営するコンセプトスタジオveda。いろんなクラスがあって、自分に合ったものを選んでみるのもいいかもしれません。メイ先生が教えていないクラス、時期もあるのでご注意ください。
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住所:〒107-0062 東京都港区南青山4-17-3, 2f
Tel:03-6447-1502
HP:https://vedatokyo.com/
ヨガスタジオIYC
ケン先生の運営するヨガスタジオIYC。もっとも有名なスタジオだと思います。ケン先生が講師でないクラス、時期もあるのでご注意ください。各都市にも系列スタジオがあります。
住所:全国各地(本校:荻窪スタジオ)
Tel:各場所による(荻窪スタジオ:
HP:https://iyc.jp/
UNDER THE LIGHT YOGA SCHOOL
裕也先生が昔東京にいた時に通っていたクランティ先生主催のヨガスタジオ。今も東京にいるときは通っている様子。日本の先生とはまた違ったアプローチ、雰囲気を味わえます。クランティ先生がいないクラス、時期もあるので注意してください。
住所:〒151-0053 東京都渋⾕区代々⽊1-53-4 奨学会館別館4階
Tel:03-5351-5501
HP:https://underthelight.jp/
愛知
haano yoga studio
Ban先生主催で筆者の通っていたスタジオ。Ban先生とChigusa先生が暖かくいつも迎えてくれます。立地もよく朝練習してから仕事に行く人もちらほら。
住所:〒460-0003 愛知県名古屋市中区錦1-7-39 錦エムアイビル7F
Tel:052-684-5229
HP:https://www.haano-yoga.com/
京都
ASHTANGA YOGA KYOTO
裕也先生、井上秀樹先生、恭平先生とMasala Mysore Brothersとしても活動するけいご先生主催のスタジオです。毎年のようにマイソールに行かれてるけいご先生のアジャストがとても勉強になります。
住所: 〒604-0854 京都市中京区二条通東洞院西入仁王門町11番地 坂東ビル2F
Tel:080-3783-7036
HP:https://keigoyamaguchi.jimdo.com/
関連書籍、DVD
まずは家で始めたいという方、初心者向け
ヨガランド ケン・ハラクマ アシュタンガヨガDVD
有名な方でも最初はDVDで始めたという人もいます。筆者もスタジオに行けないときはこのDVDをみて練習しました。
日本のヨガの第一人者のケン先生のDVDは一番使用されていると思いますのでぜひどうぞ。パートに分けてみることもできて勉強できます。
Yogini ヨガでシンプル・ビューティ・ライフ vol. 64
ヨガ雑誌の代表格Yoginiのアシュタンガヨガの特集の回で裕也先生が表紙を飾り、ポーズを紹介しています。動画だけではわからないポイントを知ることができます。
ヨガ・マーラ アシュタンガ・ヨガの実践と哲学
パタビジョイス師が唯一監修した本です。ポーズや哲学について一通り書かれています。マントラなんかも気になり始めたらちょうどいい、初級と中級の間くらいの本です。
少し慣れてきた方向け、一般的なオススメ
ポーズだけではなく、ヨガ哲学的なことも知りたい方は、こちらもオススメです。
インストラクター向けコースなどで購入必須となっていたりするものもあります。
アシュタンガヨガ初級・中級・上級(A&B)
ポーズ1つでもドリシュティまで書いてあり、ヨガ・マーラよりも詳しく書かれた本というイメージです。
インテグラル・ヨーガ パタンジャリのヨーガ・スートラ
THE哲学です。読むタイミングで感じ方が違います。まだ全てをスラスラ読める境地には達していませんが、たまに一節を思い出したりします。
最後に
筆者の体験から少しだけアドバイスを書きます!
これから始める人の助けになれば嬉しいなと思います。
まずは初めてみる
筆者はヨガを始めるまで数年かかりました。心のどこかでやってみたいなと思いつつ、特に理由もなくなかなか始めませんでした。
実際に体験してみると、そんなにハードルも高くないし、とても気持ちいいしでなんでこんなに後回しにしていたんだろうって。
ヨガが気になったら、まずは種類に限らず初めてみるのもいいかもしれませんね。
ヨガは勘違いされることが多いので、意外なこと、予想通りなことをまとめてあるので、木になる人はチェックしてみてください。
何箇所か行ってみる
筆者の場合、初めて行ったスタジオがとても好きな場所、ヨガの種類、好きな先生と幸運に恵まれました。
一方で話を聞いていると、世の中にはいろんなスタジオやヨガの種類があり、先生も人なので合う合わないはあるようです。
一回行ってみて、「ヨガは合わないなー」って思うよりも、場所や種類を変えてみてください。上記のように、アシュタンガでもこんな人が多い傾向にあるっていうものがあります。それよりもゆったり、みんなで一緒にやりたいなと思う人はそういったヨガを探せばいいのです。
同じ種類のヨガでも先生によって教え方は違うので、ヨガの種類はあってるけど先生がなっていう場合は、違うスタジオに行けばいいのです。最初に触れたヨガが全てではありません。
筆者の場合、バリにいたときにいろんなヨガを試して、結局最初に始めたアシュタンガに落ち着いています。
ヨガを始める理由
ヨガを始める理由はなんだっていいと思います。
何か嫌なことがあって始める人が多いとも聞くし、人に薦められて始めたらハマったという人もいるし、なんとなくという人もいて、いろんな人に会いました。
結局入り口はなんであっても、初めてしまえば一緒です。
なんで始めたかなんてあまり聞かれたことがないように思います。
ヨガもヨガをしている人もそれくらい器が大きいなって思うのです。