以前書いた通りポートランドに行ってきました!
ポートランドに行った理由詳細、街については「2018 旅の計画と目的地の決め方。」
行った理由は、ざっくり言うと好奇心。
「アメリカでもっとも住みたい街」、「世界でエコフレンドリーな街2位」とか、聞く限りとっても良さそうな街なのに、ぼくの周りは「アメリカのどこかにある街」、「なんか最近よく聞くよね」って程度にしか知らない。
何がそんなにいいのか、どんな生活をしているのか、実際に行って、暮らして体感してみたいと思ったわけです。
何回かに分けてポートランドのことを書いていこうと思いますが、今回は旅の目的であった、「なにがそんなにいいのか」について感じたことをお伝えします。
Contents
ポートランドの良さの正体とは
「身の周りをよくしようというこだわり」と「Easygoingな感じ」のバランスだと思います。(※easygoing:気楽さ、ゆるさ、スロー)
今回は7泊8日と短いので、これが全てではないだろうし、みんなが同じように感じるかはわかりません。それでもぼくはこの2つの感じがすっごい好きになって、ポートランドすっごくいいなってなりました。一見相反する「まあいいや」と「こだわり」だけど、これがうまく混ざり合って「Keep Portland Weird」にしているのかもしれないなって。
そんな風に感じた理由をいろんな面からご紹介。
身の回りをよくするこだわり
ポートランドは一般的にDIY精神が根付いてる街だと言われています。住宅地を歩いている時も何やら日曜大工している人を時折見かけます。(平日ですけど。。。)
そんな街では、マイクロブルーワリー(小さな醸造所)が全米1多く、こだわりを持ってビールを作ってたり、オーガニックフードをすごく推していて、街のスーパーでもかなり見かけます。
そしてやはり、世界で2番目にエコフレンドリーな街と言われるだけあって、街のいたるところに環境に気をつけるための仕組みがしてあります。ゲストハウスにも節電、節水についてよく書いてあるし、街中の路面電車用チケット自動販売機、ゴミ箱とかとにかく電気を使うものは太陽光パネルがついてたりします。
今話題のサードウェーブコーヒー(コーヒーの生産地への配慮やフェアトレード、コーヒーがカップに運ばれるまでのトレーサビリティ、豆の素材や淹れ方など、それぞれの工程にこだわるコーヒー)の火付け役になったのもこのポートランドが一役買っていると言われていたり。
正直にいうと、どう言った精神が根源かはわからなかったけど、どれにおいても「身の回りをよくしよう、自分のこだわりを大切にしよう」っていう気持ちを突き詰めたものが共通しているように感じました。
会話を楽しむゆるいつながり
ポートランドで一番好きなのは、至る所で会話が生まれるところ。
例えばスーパー、How are you?から生まれる会話がすごいのなんの。
味気ない接客じゃなくて、人と人の会話が成り立っています。
会計の間なんてずっと喋ってます。知り合いですか?ってくらい。
カフェでも注文の時に話したり、目が合えば話したりで、みんなコミュニケーションを楽しんでいます。
バスとか路面電車とか、優先席が必要そうな人が乗って来る場合は、その人たちが乗る瞬間に席を譲って、「ありがとう」からまた会話が生まれたり。子供を見かけたら話しかけたり。
みんなおしゃべりという訳ではないんだけど、その時々のコミュニケーションを楽しんでる感じがすっごく生き生きとしていました。実はポートランドは、転入者が全米1多くて、ポートランド出身ですって人にはなかなか会いません。そんなとこからWelcomeの雰囲気がそうさせてるのかなって思います。
ぼくはこの雰囲気のおかげで、唯一のポートランド出身のJimmyに会って、街について色々教えてもらったり、案内してもらいました。スーパーのフードコートで変なものを撮ってたら、「そのカメラどうだい?カメラ買おうか悩んでるんだけど」って話しかけてくれて、そこで2時間話して、後日また会って、ほんとは3回目も会おうとしてたんだけど、風邪により断念。。。
そんなゆったりとしたゆるーい繋がりが本当に心地いい。
気負わない「It’s OK」
Jimmyに教わったのは「職業?It’s OK、学歴?It’s OK、ポートランドではそんなの気にしないよ。」ってこと。
確かに、旅していても大学での専攻とか仕事とか聞かれる事は多々あるけど、今回の旅ではほとんど話に出てこなかったなって。
なんとなくだけど、昔どうだったかとかよりも、今どうなのか、目の前の事に意識が集中してるイメージ。質問されたことも、過去のことより、今、未来のことばかり。「今何してるの?」「これからどうするの?」「ポートランドに住む予定なの?」「ポートランドでなんか発見はあったかい?」などなど。
ポートランドは転入者が多いと書いたけど、いろんな過去を持ってる人が多いからかもしれないな、なんて。
このJimmyもポートランドで生まれ育ち、仕事でニューヨーク、ロサンゼルスを経たものの最終的にポートランドへ戻ってきた。「あそこ(大都市)はぼくには忙しすぎるよ、ここはちょうどいい場所なんだ」。
人口65万人で都市部がぎゅっと凝縮されて、どこでも自転車や路面電車ですぐにいける自然の多いこの街は、都会すぎる場所に疲れた人にとって気負わなくて住む場所なのかもしれない。
いま、日本で話題になってきている理由
最近ポートランドは雑誌とかで結構取り上げられてるみたい。ポートランドの暮らしだったり風土だったりかな。
実際に行ってみて、暮らしてみて、「あーなるほどな」って思ったので、その理由を考察してみました。
いわゆるゆとり世代と呼ばれる今の若者(ぼくも含め)の好みの傾向がポートランドにぴったりだからだと思います。若者の傾向については「モチベーション革命/著 尾原和啓さん」という本がとても参考になったのでお時間ある方は是非。
自分の好きなことに没頭できる。
いわゆる団塊の世代の日本人は、会社で努力して努力して何かを得ることが良しとされてきました。お金をたくさん稼いでどこかへ行ったり、高級なものを買ったり、飲んだり食べたり。
一方で、ぼくらの世代はある程度のものが生まれた時から揃ってるので、会社で死ぬほど(文字通り)働いて何かを得ることに快感を得るよりも、自分の好きなことに没頭したいって人が多いように思います(乾かない世代)。
会社はあくまで自分なことをするためのお金稼ぎの場やスキル習得の場ととらえて、仕事が終わればさっさと帰り、自分の好きなことに集中するために自分の時間を大切にしたい(と心の中で思ってる)世代です。
ポートランドは先に書いたように、クラフトビールのマイクロブルワリーやコーヒーショップといった個人の「好き」を延長した場所が多くあります。
そして何より、ここはアートの街としても有名です。毎月最初の木曜日は各ギャラリーが一斉に夜オープンして、音楽をかけたり飲み物を配ったり、一つのお祭りみたいになっているってくらいアートが盛んな街なのです。
そんなポートランドは、とにかくがむしゃらに働く日本の文化より、自分の「好き」を突き詰めたい現代の若者世代にちょうどいい街なのかもしれませんね。
ちょうどいい規模感
今の日本では、東京などの中心地から地方都市へ活動の場を移してたり(リモートワーク含め)、多拠点生活をしたりする人がどんどん多くなってきています。その中には、東京が忙しすぎると言っている人も少なくないように思います。
このポートランドの転入者の多くもニューヨークとかの大都市経験者が多くいました。人口65万人で街はこじんまりとしていて、どこでも自転車や路面電車でいける。さらに、空港も近く、シアトルもバスで3時間という距離です。大都会が忙しすぎると感じた人が、少し郊外で働きたいなんて思う場所にはちょうどいい場所だと思います。
街の中心に川があり、公園も多く、自然と調和したこの街ではゆったり呼吸したくなる雰囲気があります。人と人のゆるい繋がりもそんないい空気感から生まれるのかもしれませんね。
実は、ポートランドの近郊には、NIKE、Airbnb、Columbia、Danner’sなんかの本社もあったりと、大手企業も認めるいい街なのです。
最後に、ポートランドを訪れるなら
ポートランドの良さは暮らさないとわからないと思います。観光で行くには、すっごい有名な何かがあるわけではないし、びっくりするような絶景がたくさんあるわけでもない。
現地であった他の旅人も、どこかへ行く途中に3日程度寄ってみたよって人ばかりで、ポートランドを目的地にしている人はいませんでした。実際、「ポートランド以外どこ行くの?え、ポートランドだけなのなんで?」っていう会話は多かったです。笑
ぼくはこの旅で、次回以降に紹介するカウチサーフィンというサービスで現地の人に泊めてもらって、普段の生活を教えてもらいながら暮らすように旅していました。
できるだけ現地の人と話すようにして、いろんなことを教えてもらいました。
アメリカでキャピッてしたい人にはもっと都市部をオススメするし、現地でゆったりとポートランドの空気感を味わいたい人には最低でも1週間現地でのんびり過ごすことをオススメしたいと思います。
※今回、現地の人のように、「暮らすように旅したい」と思って使ったカウチサーフィンは本当に最高でした。Google先生よろしくです。
カウチサーフィン (The CouchSurfing Project) は、インターネット上の無料国際ホスピタリティー・コミュニティーであり、現在世界で最も大きなホスピタリティー・エクスチェンジ・ネットワークである。英語の「カウチ」(couch, 日本語で言うソファー)とサーフィンを併せた名称である。CSともいう。
海外旅行などをする人が、他人の家に宿泊させてもらう(カウチをサーフさせてもらう)という形式の相互的な思いやりや信頼による制度である。コミュニティーの軸にしたウエブサイトにて、プロフィール、身分確認制度、メンバー同士の評価等により、世界各地のメンバー間で連絡を取り相談の上で宿泊が決まる。出典:Wikipedeia
要するに、「無料でソファーに寝させてください。」です。田舎へ泊まろう的な、Airbnbの無料版的な、全てが信頼で成り立っているサービスです。その良さについては「暮らすように旅する、ポートランドで体験したCouchsurfingのススメ」を読んでみてください。
[jin_icon_info color=”#f0e590″ size=”18px”]「乾かない世代」という言葉はモチベーション革命の本を読んでいいなと思って使わせていただきました。気になる方はどうぞ!